大丸愛は選択する レビュー|お笑い芸人がガチの台本なしで恋を選ぶドラマ、3つの理由で気になってしまう

大丸愛は選択する ドラマ

土曜深夜、酔った勢いで再生ボタンを押した。

テレビ朝日の深夜枠「ドラドラ大作戦」。紅しょうがの熊元プロレスがドラマ初出演にして初主演。少女漫画好きで妄想癖のある女性刑事が、事件の容疑者であるイケメンたちに次々と恋心を抱き、毎話ラストでは台本なしのガチアドリブで「逮捕する or 一緒に逃げる」の二択を迫られる。こんな企画、酔ってなくても再生するに決まっている。

このドラマが気になってしまう3つの理由

理由1:「台本なし」が本当にガチっぽい。毎話のクライマックス、熊元プロレスは事前に結末を知らされないまま撮影に臨んでいる。本人曰く「途中から展開を想像するのをやめて、愛としてのまっさらな感情だけを頼りに演じた」。実際に見ると、目の泳ぎ方や間の取り方に台本ありきでは出せないリアルな迷いがあり、バラエティ畑の人間ならではの反射神経が活きている。

理由2:イケメン容疑者のキャスティングが贅沢。超特急・高松アロハ、ROIROM・小西詠斗&本多大夢、白鳥晴都と、毎話違うイケメンが容疑者として登場する。ただし彼らは「ただのイケメン枠」ではなく、それぞれ訳ありの背景を持っており、刑事としてのひよりの正義感と恋愛感情が衝突する構図はちゃんとドラマとして機能している。

理由3:櫻坂46・守屋麗奈の「あざとかわいい後輩刑事」。主人公の手柄をしたたかに横取りする美咲巴役が絶妙。熊元とのバディ感が意外にハマっていて、シール交換で仲良くなったという現場エピソードからもケミストリーの良さが伝わる。

<PR> 正直、全員に勧められるドラマではない

ここまで持ち上げておいてなんだが、このドラマは人を選ぶ。ただし「合う人にはクセになる」類いのやつだ。

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ただし、覚悟しておくべきこと

熊元プロレスの演技は「上手い」とは言えない。ただし、そこがこのドラマの味でもある。プロの俳優が完璧に演じたら、アドリブパートの緊張感は半減していただろう。不器用で、ちょっとかんで、でも感情は本物——という生々しさが、このフォーマットには合っている。

ただし、ストーリーの作り込みは浅い。刑事ドラマとしてのリアリティを求めると肩透かしを食らう。事件の捜査過程はかなり省略されていて、容疑者とのラブコメパートに尺の大半が割かれている。Filmarksのレビューで「バラエティのコーナーレベル」という声があるのも、正直否定はしきれない。

ただし、アドリブ部分は一見の価値がある。脚本・武井彩(「純愛ディソナンス」)が構築した物語の流れに、熊元のガチの反応が乗ることで、どちらに転ぶか本当に読めない瞬間が生まれている。「水曜日のダウンタウン」の名探偵津田を思い出す人もいるだろうが、あれよりもう少しドラマの体裁を保っている。

結論

『大丸愛は選択する』は、良くも悪くも「実験作」だ。お笑い芸人のドラマ初主演、毎話アドリブ選択、刑事×ラブコメという振り切った企画。完成度を求めるドラマではなく、「何が起こるか分からない空気」を楽しむドラマだと割り切れるかどうかで、評価は真っ二つに分かれる。少なくとも、土曜深夜に酔った勢いで再生する分には、ちょうどいい。

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